2025 .12 .18
伝統技術を子どもが学ぶ──オルタナティブスクールでの三和土づくり体験
2025年12月18日(水)
師走の冷たい空気の中、今日もスコレーは朝から活気に満ちていました。
朝のレクで言葉並べ替えゲームを楽しんだ後、10時からは本格的な伝統技術の体験学習が始まります。
大人から子どもたちへ受け継ぐ、先人の知恵と技術
「今日は、三和土(たたき)をやるよ」
三和土(たたき)── 日本の伝統的な土間の技術です。
3年前、スコレーが開校する前に施工した台所の土間の三和土。
今度は子どもたちに伝える番がやってきました。
てっちゃんが、使う土の種類、配合の比率、叩き方のコツを子どもたちに説明。
「算数で習う比って、こういうときに使うんだよ」
三和土の材料比率は、「赤土:石灰:苦汁が、10:1:0.1」 です。
教科書の中の数字が、目の前の土と水の配合に変わる瞬間。
子どもたちの目が輝きます。
これが、オルタナティブスクールならではの実践的な学びです。
土に触れ、感触で学ぶ


てっちゃんの説明を聞いたら、さっそく実践へ。
屋外で大きなタライを囲み、土と砂、にがりを配合していきます。
今回が初めての体験なので、大人が主導で進めていきました。
でも子どもたちは、スコップで土をかき混ぜながら、その感触を体で感じ取っていきます。
「ジャリジャリしてる」
「だんだん固くなってきた」
興味を持って、手を動かしながら、土の変化を確かめていました。
配合ができたら、今度は室内へ移動。床に広げた材料を、足で踏んで、叩く道具を使って「ぺったん、ぺったん」。
ジャンプして踏み固める子も、大人にはない元氣があります。
最初はぎこちなかった動きも、だんだんリズムが生まれて、チームワークで仕上げていきます。
身体全体を使って、伝統の技を体得していく時間でした。
(本来の作業では、水平をしっかりとっていくんですが、今は削れていて水平になりにくく、子どもたちと靴で踏み締めるやり方で補修しました)
午後は自分探Q──多様な学びの選択肢

午後からは「自分探Q」の時間。
スコレーでは、子どもたちが自分の興味関心に沿って活動を選べます。
チームBlaboは、あんこ作りに挑戦したり、藁の家づくりに向かったり。
スコパー(スコレーパーク)で身体を動かす子もいれば、よくわからないオリジナルの社長ゲームで戦略を練る子も。
火を起こす伝統的な技術を学ぶ子もいました。
それぞれが「今日やりたいこと」を選んで、充実した午後を過ごしました。
世代を超えて受け継ぐということ
本日、台所の土間の三和土の補修が完了しました。

ここから1-2週間、乾燥させます。
三和土は、日本の暮らしの中で長く使われてきた伝統技術です。
下の写真はスコレー開校前に土間の工事をしている時の写真、長老の金子さんがその腕をふるってくれました。

3年前にスコレーを開校するときに施工したこの三和土の作り方を、今度は子どもたちが学び、いつか次の世代へと受け継いでいってもらえたら嬉しいですね。
教科書には載っていないけれど、確かに暮らしの中に息づいてきた知恵。
それを手を動かして、足を使って、身体全体で学ぶ。
完成した三和土の床は、これからスコレーの日常を支え、子どもたちの成長を見守っていきます。
オルタナティブスクールが大切にしていること
今日のような活動の中に、竹林のスコレーが大切にしていることが詰まっています。
- 伝統技術の継承──先人の知恵を、体験を通じて次世代へ
- 実践的な学び──算数の比率が、土の配合という実践に活きる
- 協働の経験──大人と子どもが一緒に、一つのものを作り上げる
- 選択の自由──午後は自分の「やりたい」を追求できる環境
一斉授業も、決まった時間割も、テストもない。
でも確かに、生きていくために本当に必要な力が育っていく場所。
それが竹林のスコレーというオルタナティブスクールです。
見学・体験をお待ちしています

もしあなたが、こんな想いを持っているなら:
- 子どもに本物の体験を積ませたい
- 伝統的な技術や知恵に触れさせたい
- 体験重視の教育に関心がある
- 自然に囲まれた環境で学ばせたい
- 画一的でない学びの場を探している
子どもたちの表情や、環境をぜひ見にきてくださいね。
東京や大阪、都市部からの山村留学も受け付けています。





